百花繚乱
私はある日、瀬戸家のお墓を訪れた。

ここに、ご主人と一緒に医学の学校へ通っていたという、若葉さんが眠っていると聞いたからだ。


線香に火をつけ、手を合わせていると、私の隣に一人の男の子が走ってきた。

「早く早く母様。」

「お墓では走ってはいけませんよ。」

私はふとそのご婦人を見ると、あっと声を上げそうになった。


「これは驚いた。西条の奥様ではないですか。」

「まあ、翁。」

西条の奥様は、なにかと私を気使ってくれる、優しくてきれいなご婦人だった。

「翁、お元気そうで。ところでどうしてここに?」

「奥様こそ。」

「ここは私の実家のお墓なのよ。」

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