私の心の支えは渚君
「陽和さん」
私はそーっと帰ろうとしたのに渚君に見つかってしまった
「あっ今日は帰るね。何か邪魔しちゃ悪いから」
私は気を利かせたつもりだったが、上手く誤魔化せない
これじゃ明らかに怪しまれる
「別に邪魔じゃないよ。いつもの席だよね?」
渚君は女の人にお構いなしに私にいつもの席を勧めた
綺麗な女の人もこちらを見ている
「渚。私もう帰るわね」
女の人は気を遣ったのか、お金を置いて去っていった

渚君あの女の人は誰なの?
凄く親しそうだった
私は聞きたくなったけど何となく聞けない
私はただのお客なのだ
でも、さっきの女の人はいいのだろうか?
やっぱり気になる

「あの。。さっきの女の人はいいの?」
私は意を決して訊ねてみた
渚君はああと言って何も気にしていないような顔をしている
「さっきの人は前の職場の人だよ」
渚君は何の躊躇いもなく答えた
ほっとしたという顔がもろ表に出てしまったかもしれない
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