夢の続きを、あなたと
「俺も雇われの身だから、俺の判断で返事はできない。後日、改めて連絡する」
「いいお返事をお待ちしています。それではこれにて失礼いたします」
私は持ってきた資料を入れた封筒をテーブルの上に置くと、ソファーから立ち上がる。それに釣られて、雄馬も遅れて立ち上がった。
「美月! ……いや、梶田さん」
雄馬の声に、私は足を止める。
私たちはしばらくの間見つめ合った。お互い喉に引っ掛かった言葉を口にすることなく時間ばかりが過ぎていく。
しかし、沈黙を破ったのは私だった。
「……では、ご連絡をお待ちしています。……失礼します」
そう言って私は踵を返すと、アトリエを後にした。
あの頃の夢を叶えて、立派な家具職人になった彼と、安定を取って夢を諦めた私――
苦労しながらもやりたい仕事で輝く彼のことを、私はまっすぐに見ることができなかった。
会社へ戻る途中の電車の中で、私は学生時代の頃のことを思い出していた。
「いいお返事をお待ちしています。それではこれにて失礼いたします」
私は持ってきた資料を入れた封筒をテーブルの上に置くと、ソファーから立ち上がる。それに釣られて、雄馬も遅れて立ち上がった。
「美月! ……いや、梶田さん」
雄馬の声に、私は足を止める。
私たちはしばらくの間見つめ合った。お互い喉に引っ掛かった言葉を口にすることなく時間ばかりが過ぎていく。
しかし、沈黙を破ったのは私だった。
「……では、ご連絡をお待ちしています。……失礼します」
そう言って私は踵を返すと、アトリエを後にした。
あの頃の夢を叶えて、立派な家具職人になった彼と、安定を取って夢を諦めた私――
苦労しながらもやりたい仕事で輝く彼のことを、私はまっすぐに見ることができなかった。
会社へ戻る途中の電車の中で、私は学生時代の頃のことを思い出していた。