さっちゃんの足跡

１４． 寮での暮らし。

　家から通えない子たちは寮に入っています。
寮母さんたちが基本的なことを教えてはくれますが、お母さんとは違うんです。
　「いいかい。　さっちゃんもこれから一人で何でも出来るようになるんだよ。」　みんなそう言っています。
トイレだってそう。　洗面だってそう。
食事もそうなら掃除もそうです。

　朝7時に放送が入って起こされると点呼をするためにロビーに並びます。
それが終わったら洗面だの掃除だのと済ませて食事。
8時20分には「登校しましょう！」って放送が入るからみんな揃って登校します。
　授業が終わって帰ってくると昼食です。　その後は夕食まで部屋でのんびり、、、。
でもさあのんびりできるのはここまでなんだよね。
　入浴日にはお風呂にも入ります。　中でも自分で出来るように教えられます。
そこまで寮母さんたちも来ないから先輩が優しく厳しく教えてくれます。
　そしたら夕食。　その後は自習時間。　今日やったことをおさらいしましょうね。
んでもって自習時間が終わると小学生は早めにお休みです。
　9時以降も起きていられるのは中学生以上のお兄さんやお姉さんたち。
早くそうなることを夢見てさっちゃんは今日も布団をかぶるのでした。
　時々はお母さんのことを思い出して泣きたくなります。
でも泣きたいのはさっちゃんだけじゃありません。
3年生になっても泣きたい人は泣きたいんです。
だって帰省日にしか家には帰れないから。
帰ったら思い切り甘えるぞーーーー！