さっちゃんの足跡
16. 帰省日 その2
夜になるとお父さんも帰ってきました。
「おー、さっちゃんも帰ってきたか。 学校はどうだ?」
「どうだって言われても困るわよねえ。 まだ始まったばかりなんだから。」
ママは夕食を作りながらさっちゃんを見ました。
「あんまり面白くないよ。」 「え?」
ボソッと言った一言にママはドキッとしたんです。
「そうか。 まだまだ友達も居ないだろうからなあ。 でもまあこれからだ。 さっちゃんなら大丈夫だよ。」
お父さんはさっちゃんの肩をポンポンと叩いて励まします。
次の日もママとさっちゃんは外へ出ました。 スーパーへ買い物に行くんです。
篭を持って歩いていると「あの子 何なの?」っていう声が聞こえました。
ママがその子を見ると、そのお母さんが「ダメダメ。 あんたとは違うんだからほっときなさい。」って気を逸らすように仕向けています。
(この子もダメなのか。) ママはさっちゃんの手を引いてその売り場を去りました。
そんな話はあちらこちらで耳にします。
昨日まで仲良しだったのに失明した瞬間に知らない人になったって話もよく聞きます。
「世間って世知辛いよね。」 お父さんにこぼしても、、、。
「まあいいじゃないか。 そんなやつはほっといても大丈夫だよ。 離れたいやつには離れさせればいいんだ。」
分かったようなことを言うけれどさっちゃんもママも堪ったもんじゃありません。
親友だった優紀ちゃんが知らん顔して通り過ぎたのには腹が立ちました。
日曜日の夕方、寮に帰ってきたさっちゃんは寮母にこの話をしました。
「さっちゃん、気持ちは分かるけどしょうがないのよ。 目もしっかり見えてる子のお母さんはさっちゃんみたいな子の気持ちが全く分からないの。
今までは仲良くしてても周りの人たちのことを考えると相手にしたくなくなるのよ。 私たちでもどうにもできないわ。」
現実はあまりにも厳し過ぎます。 役所が決めたことではあっても。
さっちゃんは今日も仲良しだった友達のことを考えながら一人泣いてしまうのでした。
「おー、さっちゃんも帰ってきたか。 学校はどうだ?」
「どうだって言われても困るわよねえ。 まだ始まったばかりなんだから。」
ママは夕食を作りながらさっちゃんを見ました。
「あんまり面白くないよ。」 「え?」
ボソッと言った一言にママはドキッとしたんです。
「そうか。 まだまだ友達も居ないだろうからなあ。 でもまあこれからだ。 さっちゃんなら大丈夫だよ。」
お父さんはさっちゃんの肩をポンポンと叩いて励まします。
次の日もママとさっちゃんは外へ出ました。 スーパーへ買い物に行くんです。
篭を持って歩いていると「あの子 何なの?」っていう声が聞こえました。
ママがその子を見ると、そのお母さんが「ダメダメ。 あんたとは違うんだからほっときなさい。」って気を逸らすように仕向けています。
(この子もダメなのか。) ママはさっちゃんの手を引いてその売り場を去りました。
そんな話はあちらこちらで耳にします。
昨日まで仲良しだったのに失明した瞬間に知らない人になったって話もよく聞きます。
「世間って世知辛いよね。」 お父さんにこぼしても、、、。
「まあいいじゃないか。 そんなやつはほっといても大丈夫だよ。 離れたいやつには離れさせればいいんだ。」
分かったようなことを言うけれどさっちゃんもママも堪ったもんじゃありません。
親友だった優紀ちゃんが知らん顔して通り過ぎたのには腹が立ちました。
日曜日の夕方、寮に帰ってきたさっちゃんは寮母にこの話をしました。
「さっちゃん、気持ちは分かるけどしょうがないのよ。 目もしっかり見えてる子のお母さんはさっちゃんみたいな子の気持ちが全く分からないの。
今までは仲良くしてても周りの人たちのことを考えると相手にしたくなくなるのよ。 私たちでもどうにもできないわ。」
現実はあまりにも厳し過ぎます。 役所が決めたことではあっても。
さっちゃんは今日も仲良しだった友達のことを考えながら一人泣いてしまうのでした。