あの日に置いてきた恋をもう一度あなたと

初めて知った真実

 遠くに茶畑が見える通りを抜け、しばらく行った先に小さな公園が見えてくる。

 萌絵の隣でぴょんぴょんと跳ねていた女の子が、元気な声を上げて公園に駆け込んでいった。

「私の娘なの。もう三歳になるんだよ」

「……そうなんだ」

 萌絵が結婚していることさえ知らなかった菜月は、戸惑いながら萌絵の顔を見つめる。

 萌絵は母親の顔でほほ笑むと、菜月を公園の脇のベンチに誘った。


 穏やかな日差しの中で、柔らかい風が頬を撫でる。

 顔を上げた目線の先では、遊具できゃっきゃと遊ぶ萌絵の子供の側で、凌平が笑いながら声をかけていた。


「先月の同窓会でね、凌平くんに会って、二人が今一緒に仕事してるって聞いたんだ」

 萌絵の声に菜月は「えっ」と顔を上げる。

 そう言えば二ヶ月程前に、同窓会の葉書が届いていたことを思い出した。


「凌平くんね、同窓会には毎回出席してたんだよ。知ってた?」

「私は、一度も行ったことがないから……」

 小さく首を横に振った菜月に、萌絵が相変わらずくりくりとした丸い目を覗き込ませる。
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