憧れだった貴方と恋をする〜左小指のピンキーリングは素敵な恋を引き寄せる〜
「気を悪くしたらごめんなさい…だからこそ、ちゃんと食べなきゃいけないんじゃないの?」
さくらは大きなお世話だと言われても仕方ないと思いながらきつくならないように聞いた。
今日初めてちゃんと話すのに何も知らない私に言われてムカつかないかなとか考えながら…
「ん〜わかってはいるんだけど、バイトもしなきゃ食っていけないしな」
怒ることもなくあっけらかんと答えた。
「バイト…してるの?」
「うん、コンビニの深夜……あっ、あそこのコンビニ」
「え?」
佐野くんは長い手を伸ばして指をさした。
何メートルか先にコンビニがあり、コンビニの前で足を止めた。
「練習が終わってから朝方までここでバイトをしてるんだよ」
「えっと、この上です」
さくらは指でコンビニ上のマンションを指した。
一階にはコンビニがテナントで入っていたのだ。
たまに行くがその時間は佐野くんは部活の時間だから今まで会わなかったのだ。
佐野くんも驚いていたが、とりあえずマンションの入り口に行きオートロックを外す。
「すげえ……初めて見た、オートロック!俺のボロいアパートとは大違いだな」
オートロックに興味津々な佐野くん、実家は一軒家だと話してくれてマンションなんて初めて来たと話してくれた。
エレベーターで8階のボタンを押す。
部屋の鍵を開けて「どうぞ」と言う。
「お邪魔します」
入るなりスゲーと佐野くんはキョロキョロしていた。
「座ってて」
遥海はソファにゆっくりと腰をおろした。
「温めるから少し待ってね」
冷凍ごはんと冷蔵庫に鍋ごと入れていたカレーとスープを温めるさくら
「はい、出来たよ、こっちにどうぞ」
カウンターになっていたダイニングの椅子に座る。
「ここはホテル?」
「何でよ、違うでしょ(笑)普通のリビングダイニングだよ」
「広くね?実家暮らし?」
「ううん、一人暮らしだけど間取りはファミリータイプなの」
「家賃…すごいだろうね」
家賃はどうなんだろうとさくらは話した。
「ここはね、祖父のマンションなのよ、だから私は払ってないの、2階に祖父母が住んでる…監視役で(笑)」
いただきますと手を合わせた。
「へぇ、黒河さんて金持ちなんだね、あっごめん、失礼な言い方だった」
「ううん、まあ、私のお金じゃないけど、親とか祖父母には感謝はしてるかな」
勢いよく佐野くんのカレーが減っていく。
スープを飲んだ後に聞かれた。
「カフェのバイトしてるのは何で?お金に困ってないだろ」
「うん、バイトは週末だけなのね、自分の欲しいものは働いて買いたくて」
「偉いな」