憧れだった貴方と恋をする〜左小指のピンキーリングは素敵な恋を引き寄せる〜

佐野くんはスープを飲んだ時に邪魔になったのか、ポケットから髪ゴムを出してサイドと前髪を軽くハーフアップに結んだ。

「髪の毛伸びたよね」


「切る金もったいなくて、食費に回してる」


「そうなんだ」


「うん、次にバイト代入ったら切る」


佐野くんは美味い、美味いと言って嬉しそうに食べてくれた。


「ご馳走様、マジで美味かった」

両手を合わせて頭まで下げてくれた。


「そう、良かった(笑)」


「あっ、皿洗う」


「別にいいのに」


「いや、こんな美味い飯は久しぶりだし、いつもコンビニの塩むすびかパンだから腹いっぱい食ったのも久しぶりだ」


「いつも?飽きるんじゃないの?」


「もう飽きてる(笑)」

笑いながらお皿を洗ってくれた。

佐野くんはスマホで時間を見た。


「あっ、もしよかったら今日の講義のノート見せてくれないかな、寝ちまってて」


「うん、いいよ」


2人はリビングでノートを写すことに……


前期も成績良くなくてさぁなんて話をしながら写していく佐野くん。

意外とよく話す事が知れた。

講義は大抵寝ていて前期は半分くらいしかノートを取れなかったと聞いて、さくらはプリンターあるから前期の分はコピーしてあげるよと自分の部屋でコピーを始めた。


しばらくしてリビングに戻ると佐野くんは机に頭をつけて寝ていた。


(深夜バイトで寝てないんだろうなぁ…)

だから授業中に寝ちゃうんだ、後ろの席に行くのもその為かもしれない。

話してみてわかったけど、どういう生活してんだろう。

助けてあげたいけど…

何ができるんだろう…


さくらは佐野くんが脱いでいたジャージの上着を肩にかけてしばらく寝さす事にした。

そして自分の部屋でバスケの雑誌を見返していた。


高校時代の佐野くんが載っている雑誌だ。


今の方がもしかして痩せてるのかな、これから体を作らなきゃいけないんじゃないの?

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