御曹司との交際0日婚なんて、聞いてません!──10年の恋に疲れた私が、突然プロポーズされました
「えっと……外だよ?ここ……」

「誰も見てない。」

そう囁くと、律さんは迷いもなく私の唇を塞いだ。

熱を帯びたキス。

深く、ゆっくりと私の中に流れ込んでくるような、そんなキスだった。

「んっ……」

思わず漏れた吐息に、彼の舌が絡んでくる。

それだけで、足元がふわふわしてきて、身体の重心が彼に預けられていく。

「千尋……愛してる。」

耳元で囁かれたその声に、心が溶けそうになる。

岩陰の奥、砂浜の誰にも見えない場所。

律さんの指が、私の肩を撫でて──ゆっくりと、胸元へと滑っていく。

「や……ここじゃ……」

「大丈夫。風の音がかき消してくれる。」

囁きながら、律さんは私の背中を抱きしめ、キスを深めていく。

太陽の下、でもここは私達だけの秘密の場所。

風と波音のリズムに重なるように、私達の呼吸が熱を帯びていった。

──私は、もう抗えなかった。

律さんの愛が、確かにそこにあったから。
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