御曹司との交際0日婚なんて、聞いてません!──10年の恋に疲れた私が、突然プロポーズされました
律さんが慌てて私の手を取る。

「待って、今のは完全に向こうからで――」

「……ほっぺにキスって、何なのそれ!」

内心モヤモヤが爆発しそうになる。

だって、新婚旅行中だよ?
私の前で、他の女の子にキスされるって、どういうこと!?

「おい、ストップ!」

律さんが金髪女性の前に回り込み、真剣な顔で言った。

「My wife is jealous. So please, don’t do that again.」

すると彼女は、少し驚いたように目を見開いて──やがてくすっと笑った。

「I understand. She loves you so much.」

そして私の方を見て、小さく手を振る。

「Sorry. Have a sweet honeymoon.」

去っていく彼女を見送りながら、律さんが私の肩をそっと抱いた。

「……ごめん。油断した。」

「もう……律さん、モテすぎ。」

「俺が悪いのか?」
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