御曹司との交際0日婚なんて、聞いてません!──10年の恋に疲れた私が、突然プロポーズされました
「だってさ、仕事の合間にLINEで“千尋の声聞きたい”って通話リクエストしてくるし、帰ってきたら玄関で“綺麗”って……そんなの、毎日だよ?甘やかされすぎて、私、もう人としてダメになりそう……」

「へぇ~……」

滝君は目を細めてニヤニヤしながら頷いた。

「それはつまり、“旦那さんに甘やかされる幸せ”に酔ってるってことですね。」

「うっ……」

何も言い返せない。

「夜も?甘々ですか?」

「……“抱きしめて寝る”とか言って、ほとんど離してくれないの。私がちょっとでも動くと、“逃げたらダメ”って……もう、溺愛っていうか、依存に近い。」

滝君は笑いを堪えながら言った。

「律さん、完全にスイッチ入りましたね。新婚旅行で。」

私は頭を抱えた。

「嬉しいんだけど、ここまでくると、逆に恥ずかしい……」

「でも、顔が幸せって言ってますよ。」

「……バレてる?」
私の言葉に、滝君はくすっと笑った。
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