御曹司との交際0日婚なんて、聞いてません!──10年の恋に疲れた私が、突然プロポーズされました
──新婚旅行から帰ってきた私たちの生活は、まるで恋人時代よりも甘く、濃密になっていた。

律さんは、まるで私をこの世で一番愛しい宝物のように扱ってくれる。

そんな毎日に、私は戸惑いながらも、心の奥では確かに嬉しかった。

ただ一つだけ、困ったことがあるとすれば──

これ以上甘やかされたら、もう、律さんなしでは生きていけません。

でもなんだかんだ言って、そんな甘い生活は嫌いじゃない。

「千尋、今日も綺麗だよ。」

いつものように、玄関で私の頬に手を添えて、まっすぐに見つめてくる律さん。

「ふふ。ありがとう。」

でも、毎日のことだから、正直ちょっと慣れてきちゃった。

──そう思ったその瞬間だった。

「千尋……今、どうでもいいって顔した。」

「えっ?」

見ると、律さんがほんの少し唇を尖らせて、しょんぼりした目で私を見ていた。

「俺、一生懸命言ってるのに……千尋、最近あんまり照れてくれないし。」
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