御曹司との交際0日婚なんて、聞いてません!──10年の恋に疲れた私が、突然プロポーズされました
なぜか自信満々。

「たとえば、洗濯機は水量“中”、柔軟剤はこのラベンダーのやつを使うでしょ?あと、タオルと服は別々にするのが千尋ルール。掃除機はコードのクセがあるから、左に一回ひねってから動かすとスムーズにかけられる。……って感じ?」

「え、なんでそんなに詳しいの……?」

「千尋を好きな夫は、日々努力をしているのです。」

そう言って、律さんはウィンクして部屋を出ていった。

しばらくして、リビングから掃除機の音と洗濯機の稼働音、そして小さく鼻歌が聞こえてくる。

「……ほんと、どっちが主婦なのか分からないな。」

けれど、胸の奥はじんわりあたたかくて。

風邪なんて言い訳に、ずっとこの優しさに包まれていたくなる。

私の夫、ちょっと過保護。でも、そんな律さんが――

やっぱり好きだ。
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