御曹司との交際0日婚なんて、聞いてません!──10年の恋に疲れた私が、突然プロポーズされました
「……律さん、もしかして、私のランチまで管理し始めてる?」

「うん。千尋の健康は俺の生命線だから。」

まっすぐに言いきるその目に、言い返す隙もなかった。

「……もう、過保護すぎ。」

「愛ゆえです。」

苦笑しながらサンドイッチを受け取る私の横で、律さんは堂々と会議室の空き状況を聞き始めた。

(えっ、まさか社内で一緒に食べるつもり!?)

どうしよう、同僚たちの目が気になる――

でも、それ以上に、こんな律さんが可愛くてしかたない。

恋人みたいなランチタイムに、私はまた少しだけ“甘やかされる妻”の心地よさを噛みしめた。

「7番、小会議場でしたら空きがございます。」

受付の女性が微笑みながら教えてくれた。

――この社の受付、絶対に律さんのこと“要人扱い”してる。

私と律さんは、案内された2階の小会議場に向かうことにした。

ちょうどエスカレーターを上がっていると、反対側から降りてきた滝くんとすれ違った。
< 230 / 252 >

この作品をシェア

pagetop