御曹司との交際0日婚なんて、聞いてません!──10年の恋に疲れた私が、突然プロポーズされました
「あれ?朝倉さん、ランチ……?」

「会議室で食べるの。」

なるべく何でもない風を装って答えたのに――

隣にいた律さんが、静かに滝くんを“ガン見”。

「……俺、今、睨まれたんだけど。」

「旦那さんだって知らないのよ。ごめんね。」

私がこっそり耳打ちすると、滝くんは納得したようなしてないような顔でエスカレーターを降りていった。

会議室に着くと、律さんはさっそく紙袋をテーブルに置いた。

「じゃあ、食べよっか。」

……と思ったら、そこに出てきたのは――

私が朝、律さんのために作ったお弁当!?

「えっ、それ、持って来たの?」

「うん。今日は千尋と一緒に食べたくて。」

満足げに広げていくお弁当箱。

「じゃあ、サンドイッチは?」

「それは千尋の分。」

何その、完璧に段取りされたランチプラン。

結局この日、私は律さんが買ってきてくれたサンドイッチを、夫の差し入れスープと共にいただくことになった。
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