御曹司との交際0日婚なんて、聞いてません!──10年の恋に疲れた私が、突然プロポーズされました
「……千尋に似合うと思って。」

ぼそっと呟くその顔が、妙に照れていてかわいい。

「残業って……これ、買いに行ってたの?」

「……うん。最近ずっと、千尋に何かプレゼントしたいなって思ってて。」

ぽつぽつと、言い訳みたいに言いながら、私の耳元をじっと見つめてくる律さん。

「つけてもいい?」

「……うん。」

そっとピアスを耳にあてると、律さんの目がふっと和らいだ。

「やっぱり似合う……綺麗だよ、千尋。」

――こんな過保護で甘すぎる旦那様、少し困るけど。

「ありがとう。新しいピアス、欲しかったんだ。」

そう微笑んだ私に、律さんはたまらないといった顔で、ぎゅっと抱きしめてきた。

「千尋が喜ぶなら、何でも買ってあげるよ。」

耳元に囁かれる、甘すぎる愛の言葉。

――そんなの、ずるい。

次の瞬間、律さんは私の腰を抱え、そのままソファへと押し倒した。

「律さん、夕食……」
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