御曹司との交際0日婚なんて、聞いてません!──10年の恋に疲れた私が、突然プロポーズされました
その声に、心臓が跳ねる。

次の瞬間、熱を帯びたキスがうなじに落ちた。

ぞくりと背筋を震わせる感覚。体が自然と、彼に預けられていく。

「……千尋、短めにするから。」

律さんの手が私の腰を抱き寄せる。

強く、でも優しく──まるで想いをすべて重ねるような動きで。

どこかいけないことをしている気がするのに、不思議と恥ずかしくなかった。

「はぁはぁ……」

「千尋……千尋っ!」

律さんの熱が、私の体を支配する。

朝から快感に溺れるなんて、律さんじゃなかったら、していなかった。

玄関先で、肩を寄せ合いながら息を整えると、律さんがくすっと笑った。

「……なんか、本当に新婚って感じ。」

「こんな朝……初めてだよ。」

私が笑い返すと、律さんがそっと額にキスを落とした。

「俺、玄関先でセックスするのが、憧れだったんだよ。」

そう言う律さんのあどけない顔を見て、二人で笑い合った。
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