亡国の騎士は勝気な皇女殿下をご所望です──剣を捧げたその日から、貴女は俺のすべてです
第1章 剣を持たぬ皇女
祖国を守るのに、男も女も関係ない。
第一皇女である私は、兄弟を持たぬこの国の跡継ぎとして、生まれた時からそう自分に言い聞かせてきた。
「お父上、どうか……私に皇太子をお任せください!」
その言葉は、誰に命じられたものでもない。
紛れもなく、この国への忠誠と、守るべき責任から出た叫びだった。
だが、玉座に座る父王は静かに言った。
「皇子がいないのならば、そなたを皇太子にするしかあるまい。だが――軍を率いることは、できぬのだよ」
若すぎる私に向けられたその言葉は、優しさであり、同時に突きつけられた現実だった。
第一皇女である私は、兄弟を持たぬこの国の跡継ぎとして、生まれた時からそう自分に言い聞かせてきた。
「お父上、どうか……私に皇太子をお任せください!」
その言葉は、誰に命じられたものでもない。
紛れもなく、この国への忠誠と、守るべき責任から出た叫びだった。
だが、玉座に座る父王は静かに言った。
「皇子がいないのならば、そなたを皇太子にするしかあるまい。だが――軍を率いることは、できぬのだよ」
若すぎる私に向けられたその言葉は、優しさであり、同時に突きつけられた現実だった。
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