あの夏の夜の続きは今夜
後ろの人が私に体を擦り付けてきてるような気がする。
でも満員電車だし、気のせいか。と思い込もうとするものの、背後にピッタリと体をつけられ、その鼻息が私の耳元にかかる。
なんとなく電車の揺れとは異なってリズミカルに動いてるような気がするが、断定できない。
上下にゆっくりと体を擦り付けてきているのは間違いないはずなのに、確証が持てずにいた。
身をこわばらせていると、ふと目の前にスマホ画面が差し出された。
「大丈夫ですか?場所交換しますか?」
スマホからなぞるようにその持ち主の顔を見る。
まだ若いサラリーマンが私を見下ろしていた。
私はその目を見ながら頷くと、優しくも強い力で腕を引かれる。
私は背後の違和感から引き剥がされ、すぐにサラリーマンと場所を入れ替わった。
「ありがとうございます」
小声で言った後、また改めて顔を見る。
顔をよく覚えていないけど浮島を思い出した。
確かこんな顔をしていて、と思おうとしたけど思い出補正というやつか。
何も思い出せない。
ただあの海の空気とヨレヨレの後ろ姿だけを覚えている。
でも満員電車だし、気のせいか。と思い込もうとするものの、背後にピッタリと体をつけられ、その鼻息が私の耳元にかかる。
なんとなく電車の揺れとは異なってリズミカルに動いてるような気がするが、断定できない。
上下にゆっくりと体を擦り付けてきているのは間違いないはずなのに、確証が持てずにいた。
身をこわばらせていると、ふと目の前にスマホ画面が差し出された。
「大丈夫ですか?場所交換しますか?」
スマホからなぞるようにその持ち主の顔を見る。
まだ若いサラリーマンが私を見下ろしていた。
私はその目を見ながら頷くと、優しくも強い力で腕を引かれる。
私は背後の違和感から引き剥がされ、すぐにサラリーマンと場所を入れ替わった。
「ありがとうございます」
小声で言った後、また改めて顔を見る。
顔をよく覚えていないけど浮島を思い出した。
確かこんな顔をしていて、と思おうとしたけど思い出補正というやつか。
何も思い出せない。
ただあの海の空気とヨレヨレの後ろ姿だけを覚えている。