あの夏の夜の続きは今夜
商業施設の屋上に夏の風が吹き抜ける。職場の人が集めたビアガーデンには30分遅れで参加できた。日が暮れたとは言えまだまだ暑い。風だけが心地よく感じる。
ビールを片手に程よく空いてる場所を見つけて静かに混ざる。
「矢田さん、待ってたんですよ」
後輩の寺山さんが大きな声で言ってくれて、周りの人達が私の存在に気付く。
「ごめん、報告書書いたら遅くなっちゃった」
「あ、受注したんですか?」
「ううん、部長さんはまだ他の会社と比較してる」
ビールを流し込む。
喉の奥がビリビリと痺れる。
「部長さんも固いですね、普通矢田さんに言われたら大体の男性はコロッと発注してくれそうなのに」
寺山さんは私のお皿に肉と玉ねぎを乗せて渡してくれた。塩胡椒と焼肉のタレも目の前に置いてくれる。
「今月の売上、結構渋めかもしれないですね」
「仕事の話はやめよう」
「すみません」
私はまたビールを見てさりげなくスマホの画面に目を落とした。当然だけど連絡は来ていない。
これが終わったら連絡しようかな。
私はスマホをまたカバンの中に隠した。
ビアガーデンでの一次会は21時に終わり、ほとんどが二次会の近くの居酒屋へ移動しそうなところ私は用事があることを口実にして分かれた。
ビールを片手に程よく空いてる場所を見つけて静かに混ざる。
「矢田さん、待ってたんですよ」
後輩の寺山さんが大きな声で言ってくれて、周りの人達が私の存在に気付く。
「ごめん、報告書書いたら遅くなっちゃった」
「あ、受注したんですか?」
「ううん、部長さんはまだ他の会社と比較してる」
ビールを流し込む。
喉の奥がビリビリと痺れる。
「部長さんも固いですね、普通矢田さんに言われたら大体の男性はコロッと発注してくれそうなのに」
寺山さんは私のお皿に肉と玉ねぎを乗せて渡してくれた。塩胡椒と焼肉のタレも目の前に置いてくれる。
「今月の売上、結構渋めかもしれないですね」
「仕事の話はやめよう」
「すみません」
私はまたビールを見てさりげなくスマホの画面に目を落とした。当然だけど連絡は来ていない。
これが終わったら連絡しようかな。
私はスマホをまたカバンの中に隠した。
ビアガーデンでの一次会は21時に終わり、ほとんどが二次会の近くの居酒屋へ移動しそうなところ私は用事があることを口実にして分かれた。