あの夏の夜の続きは今夜
もうほとんど公園には人がいなくなってから、やっと浮島は立ち上がってお尻の砂を払い落とす。

私も立ち上がろうとした時、自然と浮島が手を差し出してくれたからその力を借りた。そのまま手は繋がれた。

さっき人の頭ばかりで全くその姿を見せなかった道路は、今はアスファルトが姿を見せて車道として存在していた。

歩道に出てる屋台の脇を通り過ぎるように歩く。

人はやっぱり多いけど、これが花火大会だったからなのか東京の週末は常にこんな感じなのかまでは判別つかなかった。

浮島が時計を見て時間が中途半端だと言った。

何をするのに中途半端なのか、それともこの23時前という時間帯が中途半端なのか、私はその意味を聞こうとしたけどやめた。

駅の周りはまだまだ人で溢れていたけどそろそろ電車に乗らないとまずいから仕方なく乗り込む。朝のラッシュ同様の満員電車。

いつもは顔を合わせないように並ぶのに、今日は浮島が私と向かい合うように立つ。

目の前にTシャツ越しの胸元が来て、手は繋がれたままで、そして気のせいか浮島の手が私の頭を2回だけ弾むように撫でた。

少し視線を上げて浮島を見たら、少し笑った浮島と目が合う。

重なった親指が私の親指を抑えたり、離したり。

浮島って誰にでもそういうことするの?

そう言いそうになって、でも例えそうだとしても浮島は嘘をつくし、そうじゃないとしても私は信じきれない、不毛な質問だと知って飲み込んだ。

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