あの夏の夜の続きは今夜
静かに部屋に入ると、鍵を閉めて、そしてすぐにキスをした。

浮島が私の腰を自分の身体にくっつける。

私の前髪を掻き分けて、頬を撫でて、指先で唇を撫でて、キスをしてきた。

皮膚が離れきらないうちに重ねる。

少し空いた隙間から浮島の舌が入り込んできて、舌先を舐め合ったあと、私が吸う。

忘れがちになる呼吸。

息をして、また唇を口にふくむ。

「いいの?」

そう言って浮島が私を見下ろす。浮島のヨレヨレになったTシャツの裾に手を掛けながら、すごく小さく頷く。

俯いた私の顔を下から覗き込むようにして、鼻先を擦り合わせてキスをした。この首筋に私は手を掛けて、自分の方に寄せた。

私たちはベッドに転がり込んだ。

「かわいい」

そう言って彼は私の内側に潜り込んできた。
冷えた汗で肌と肌が吸い付くことが、なんとなく今の私たちの心とリンクしてるようで、皮膚を通じて離れたくないと思った。

この時間が終わらないようにキスをした。


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