結婚当日に夫が浮気したから、ヤケになって愛人募集したら王弟殿下が志願してきた件。
「なるほど」
 アーヴィンはにこりともせず、頷いた。だがすぐに相好を崩して、私と向き合う。
「ところで、イレーヌの愛する人は誰かな?」
  そんなことを聞いてきた。私は鉄仮面のような表情で答える。
「そうですね。本来であれば、シオドアと答えたいところですが……」
 チラリとシオドアに視線を向けるが、彼はまだリンダと密着している。やはり私はお邪魔なようだ。そろそろ会場に戻ろう。シオドアに何かを期待するだけ無駄なのだ。
「今のところ、愛する人……愛人は募集中です。せっかく人が多く集まっておりますので、そちらで探そうかと」
 自分の結婚披露パーティーで愛人を探す。おかしくも虚しい。
「……だったら、俺なんかどうだ?」
「何が?」
 思わず私はそう聞いていた。まるで学園時代のノリだった。アーヴィンとシオドアは同じ教室で勉学に励んだ仲だが、私とアーヴィンの関係は少し違う。
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