結婚当日に夫が浮気したから、ヤケになって愛人募集したら王弟殿下が志願してきた件。
「では、旦那様。私は先に会場に戻りますね。これだけ人が集まっているんですもの。愛人を探すには絶好のチャンスでしょう?」
「そうだね、僕はもう少しリンダと過ごしてから戻るよ。僕のことを聞かれたら適当に誤魔化しておいてくれ」
「はい」
私はにっこりと微笑んで答えた。この状況、笑うしかない。だが気を抜けば涙がこぼれそうだった。だから笑うのだ。
広間に戻るため、くるりと向きを変えると、目の前に人の姿が見えて慌てたが、すぐに平静を装う。
「ごきげんよう」
私の声で、シオドアもリンダも第三者の存在に気がついたようだ。
「ごきげんよう、イレーヌ」
「あら?」
その声には聞き覚えがあった。いや、忘れたくても忘れられない声。
「なかなか面白い話をしていたようだね。失礼だと思いながらも、つい、聞き入ってしまった」
「アーヴィン……失礼しました。王弟殿下」
目の前の人物は国王の年の離れた弟、アーヴィンだ。そして学園時代の私のライバルでもあった人物。
「そうだね、僕はもう少しリンダと過ごしてから戻るよ。僕のことを聞かれたら適当に誤魔化しておいてくれ」
「はい」
私はにっこりと微笑んで答えた。この状況、笑うしかない。だが気を抜けば涙がこぼれそうだった。だから笑うのだ。
広間に戻るため、くるりと向きを変えると、目の前に人の姿が見えて慌てたが、すぐに平静を装う。
「ごきげんよう」
私の声で、シオドアもリンダも第三者の存在に気がついたようだ。
「ごきげんよう、イレーヌ」
「あら?」
その声には聞き覚えがあった。いや、忘れたくても忘れられない声。
「なかなか面白い話をしていたようだね。失礼だと思いながらも、つい、聞き入ってしまった」
「アーヴィン……失礼しました。王弟殿下」
目の前の人物は国王の年の離れた弟、アーヴィンだ。そして学園時代の私のライバルでもあった人物。