私の専任シークレットサービス!〜双子に溺愛警護され過ぎて困ります〜

【第4話】私の知らない双子の素顔

〇男子トイレの前
春哉の左手に両腕を絡め見上げる美怜。
美怜「服ぅ大丈夫でしたか?」
春哉「・・・」
春哉は美怜がわざと肘にグラスを当て落としたことに気付いているコマ
美怜「シミになっちゃったらどうしよう」春哉のズボンを覗き込む「クリーニング代払いますから」※上目遣いで首をかしげる。
春哉「いらない」
美怜の腕を払い席に戻ろうとする。
美怜「春哉先輩!」
肩に力が入る美怜。
美怜「あ、あの春哉先輩!今度お詫びにお茶でも~」春哉を止めようとする「春哉先輩はマッスルコンテストが好きなんですよね?私も大好きなんですぅ」カバンからチケットを取り出す「私、今度のフェスのチケット持ってるんです!」
春哉の足がピタリと止まる。チケットが目に入り引き返す。
春哉「これ、どうしたの?」美怜の両肩を掴む
美怜「えっ・・・?」
表情は変わらないが目を輝かせチケットを見る。ドキドキしながら春哉を見上げる美怜。

〇葵葉たちのテーブル
ほろ酔いの葵葉。呂律が回らない朱里。葵葉と朱里の間に桑桐が座っている。
桑桐「若桜ちゃ~ん。まだ飲もうよ~」葵葉の肩を抱く
桑桐は「部長もう飲めませんぅ~」と酔った葵葉に鼻の下を伸ばす。
春斗「おい葵葉、飲みすぎ。そろそろ帰るぞ」
桑桐から葵葉を引き離す。
桑桐「えー若桜ちゃんもう帰るの?これから二次会だよ」
春斗「門限あるんで帰らせます」
桑桐「門限っていくつだよ~相変わらずオカンだな。若桜ちゃんもっと遊びたいよな?」「二次会行く人ー!」
葵葉「はーい!」
立ち上がり手を上げる葵葉。
少し離れた所で美怜の両肩に手を置く春哉の姿が視界に入る。
葵葉「・・・?」※無意識にモヤッとし直ぐに視線を逸らす。
二次会参加者たちが手を上げている。
葵葉「私も行きまーす!」
桑桐「ほら本人だってこう言ってるし」「だいたいさ、君たち幼なじみだからって若桜ちゃんに対して過保護すぎ。彼氏でもないのに」※口の端を上げ挑発するような顔
桑桐を睨む春斗。
春斗「おい。大丈夫か」
ふらつき倒れそうになる葵葉を支える春斗。春哉と美怜が戻ってくる。
春哉「・・・」
春斗と葵葉をジッと見る。

〇店の外 大通り
酔い潰れた葵葉をおんぶする春斗。
桑桐「二次会組はこっちな~」
美怜「えー!春哉先輩は二次会に行かないんですか?」
桑桐「橘さんムダだよ。アイツら若桜ちゃん護衛隊だから」「オカン並みに口うるさいの」
桑桐は美怜の背中を押しながら二次会組の方へ歩かせる。
美怜「・・・」※葵葉を睨む美怜

〇帰宅 タワマン 葵葉の寝室
葵葉をベッドに座らせるが離れない。
春斗「ほら、これ飲んで酔い冷ませ」
ペットボトル差し出すが受け取らない葵葉。
葵葉「にゃぁ~もう飲めませぇん」
春哉「ハル。先にシャワー浴びてくる。葵葉そんな状態じゃ入れないだろうし」
春哉は寝室を覗きバスルームへ向かう。
春斗「あぁ・・・」「ったく。いい加減離れろ」
春斗(色々当たってるんだよ)※葵葉の胸が背中に押し付けられている
葵葉「葵葉も二次会行きたかった」
春斗「あっそ」
葵葉「楽しかったね」※ほろよいでとろんとしている。耳元でふふふと笑う
ドクッと胸が高鳴る春斗。
葵葉「みんなでワイワイするの大好き」「色んな人のお話たくさん聞けて楽しい」
春斗「そりゃ良かったな」
葵葉「ハルちゃんも楽しかった?」「ハルちゃんもシュンちゃんも楽しんでくれると嬉しいな」
春斗「・・・葵葉が楽しければそれでいい」※葵葉酔っていて聞いてない。
葵葉ベッドに大の字で倒れる。
葵葉「それでね、朱里ったら面白いんだよ!ハルちゃんかシュンちゃんのどっちが好きかって聞くの」「そんなのどっちもありえないのにね。2人が葵葉のそばにいてくるのは仕事だからなのに」
春斗「・・・」
持っていたペットボトルに力が入る。
春斗「少しは警戒しろって前にも言っただろう」「桑桐に狙われてたぞ」
葵葉「そうなったらハルちゃんたちが助けてくれるも~ん」
春斗は唇を軽く噛む。
天井を見つめる葵葉。春斗からの返事がない。
葵葉「・・・ハルちゃん?」
起き上がり春斗の顔を覗き込もうとするが髪で隠れ表情が見えない。前髪に手を伸ばすとパシンと手を払われる。
春斗「俺たちの仕事増やすようなことするなよ」「・・・シャワー浴びてくる」
寝室から出て行く春斗。
葵葉(ハルちゃん今、怒ってた?なんで・・・?)
ふらふらと酔いが回りベッドに倒れて眠る葵葉。

〇シャワールーム
春哉が上半身裸で髪を拭きながら出てくる。
春哉「なんだよハルの奴。俺が先に入ってたのに乱入してきて」
リビングに向かう途中、寝室のドアが少し開いおり葵葉の姿に足を止める。

〇葵葉の寝室 薄暗い
寝息をたてる葵葉の隣に腰を下ろす。シャワーの音。
春哉「・・・」
春哉(本当・・・無防備すぎ)※やわらかい表情
ワンピースから見える足とはだける胸元。
春哉「葵葉」
起きない葵葉。葵葉を組み引く体制で見下ろすと頬にポタリと水滴が落ちる。
葵葉「んぅ」薄っすらと目を開ける「ハルちゃん?・・・あれ、シュンちゃん?」
春哉「どっちがいい?」「ハルかシュンか」
葵葉はゆっくりと瞬きを繰り返すと再び眠る。
春哉「俺はハルみたいに優しくないから」葵葉の長い髪をすくい唇を寄せる「これ以上、好きな子を前にお預けなんて続かない・・・」

〇回想 5歳の時した葵葉とのキス。
春哉に服の裾を掴まれて振り返る葵葉。
5歳葵葉「シュンちゃん?」
5歳春哉「口にしたい」
目を大きくする葵葉
5歳春哉「大好きな人同士はそうするんだって。俺のこと嫌い?」
5歳葵葉「嫌いじゃないよ。葵葉はシュンちゃん大好きだもん」
春哉は葵葉にチュッと軽く唇にキスをすると満足気に葵葉を見る。春斗の足音。
5歳春斗「母さんがホットケーキ焼いてくれたから食べようぜ」
5歳春哉「うん」
双子部屋から出て行く。
5歳春斗「葵葉?」ひょっこり顔を出す「どうした?」動かない葵葉の顔を覗き込む
5歳葵葉「ハ、ハルちゃんもお口でキスする?」※少し戸惑いながら聞く
5歳春斗「・・・はぁ!?し、しねーよ!そっそういのは大人になってからするんだぞ」
顔が真赤になり腕で隠そうとする春斗。
5歳葵葉「そうなの?でも・・・」
5歳春斗「そうだよ」「だから、大人になったらするから忘れんなよ」
葵葉はホッとしてニコリと笑う。

〇現在に戻る バスルーム
シャワーを浴びる春斗
春斗「クソッ」
春斗(こっちの気も知らねぇで。次酔っぱらったらまじで押し倒すぞ・・・)
葵葉の唇や背中に触れた胸の感触を思い出す。
春斗「あぁっダメだ!ダメだ・・・!」
首を左右に大きく振る。シャワーの水が体に跳ね返る。

〇寝室
春哉と葵葉の唇が触れそうな距離。
春哉「――葵葉。もう一度、俺のこと選んで」
キスしかけて止める。目を細め額に唇を落す。

〇リビング・朝食中
食事係の春斗が準備中※エプロン着用 向かい合わせで座る葵葉と春哉はプロテイン準備中。
葵葉「昨日はごめんね。酔ってて全然覚えてなくて。運んでくれたんだよね。ありがとう」
春斗&春斗「・・・」※目を合わせようとしない
春斗は葵葉の前に朝食を置き春哉の隣に座る。
葵葉(どうしよう・・・2人ともすごく機嫌悪い。昨日なんかしちゃったかな。飲み過ぎて本当に記憶がない)
葵葉「あっそうだ。今度の土曜日だけど、2人ともずっと働き詰めで疲れが溜まってるでしょう?お休みを取ってもらいたくて」
春斗「休み?」
春哉「なんで急に?」
葵葉「えっと、それはその――」
葵葉(この空気の中で孝太さんと水族館行くとは絶対に言えない)
春哉「土曜日?俺もその日予定入れてるんだった」壁に掛かるカレンダーを見る「ハルも雑誌の撮影があるって言ってなかった?」
春斗「でも2人とも休みだと葵葉の警護はどうするんだよ」
葵葉「大丈夫!ルイチェルに来てもらうよう頼むから」「よかった~2人もゆっくりと休んでね♪」
ご機嫌でパンにバターをぬる葵葉。
春斗&春哉「・・・」
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