私の専任シークレットサービス!〜双子に溺愛警護され過ぎて困ります〜
【第3話】大人になった恋心
〇大学キャンパス内・野外
孝太「あれ?葵葉ちゃん?」※爽やかに微笑む。
葵葉に気付き足を止める。
朱里「噂をすればなんとやら~ね。ぬふふ。じゃ今夜の飲み会でね!」
近づいてくる孝太に足早に立ち去る朱里。
孝太「よかった。探していたんだよ」
葵葉「わ、私をですか?」
孝太「もちろん。先日、葵葉ちゃんのお父さんからの援助のお礼を言いたくてね」
葵葉「そんなわざわざ。大したことじゃありません」てのひらを向ける「それに父立っての希望でしたので。有能な若者のために力になりたいと常々言っています」
葵葉モノ(孝太さんと話すようになったのは、私が構内を迷っている所、声をかけてくれたことがきっかけだった)(大学院生で研究熱心。落ち着いた話し方やちょっとした対応が大人で魅力的な人)
孝太「本当にありがとう。感謝しても足りないくらいだ」※目を細め微笑む
葵葉も視線を返し笑いかける。
○女子たちに囲まれる双子
春斗は女子たちに笑顔を振りまく。春哉は無表情で葵葉と孝太を横目で確認する。
孝太「そうだ。今度、研究中の海洋植物を、みなと水族館で展示してくれることになったんだ」
葵葉「わぁ!孝太さんの研究が認められたんですね」
孝太「それで・・・よかったら一緒に見に行かないかな?」※照れた顔「できたら2人で」
葵葉「水族館?2人でですか?」
目を丸くしパチパチと瞬きを繰り返す。
孝太「葵葉ちゃんと、もっと仲良くなりたいんだ」
葵葉「もちろんです。ぜひ、ご一緒させてください。チケットも手配しておきますね」
孝太「よかった。いつもありがとう」※作った弓なりの目を向ける「じゃ今度の日曜日にでも行こう」
葵葉「はい!」
孝太は手を振りながら去っていく。手を振り返す葵葉。
葵葉「孝太さん。素敵な人だな」
微笑んでいる葵葉の背後から現れる双子。
春斗「アイツはやめておいた方が良いぜ」
春哉「そうそう。あの手のタイプは危ない」
振っていた手がピタッと止まる。
葵葉「もぉそんなことないよ。孝太さんは苦学生なのよ!」
春哉「だから葵葉の親父さんがお金を援助したの?」
春斗「ったく苦学生に一番縁遠い奴が何言ってんだよ」「金目当てに葵葉に近づいたの丸わかりだな」
春哉「典型的なパターン」
双子はわざとらしく同時にため息つく。
葵葉「だから孝太さんはそんなんじゃないよ!」※頬を膨らませる葵葉
ムキになる葵葉をジッと見つめる春哉。
春哉「葵葉ってああいう男が好きなの?」
葵葉「それは、その・・・好きとか、まだそういうのじゃなくて。素敵な人だとは思うけど」
春斗「趣味悪っ」
止めの一言にガクッと肩を落とす葵葉。
葵葉「私が誰を好きになろうと2人には関係ないでしょ!」
プイッと双子に背を向け校舎へ足早に向かう。後姿を見る双子。
春哉「どうすの?ハル」「このまま付き合うことになったら」
春斗「葵葉だってそこまでバカじゃないだろう。あの男の策略くらい――」
春哉「そこまでバカだったら?」※横目で春斗をチラ見
春斗は肩をすくめる
春哉「あれから1年近く3人で暮らしてるけど、葵葉しっかりしてそうで抜けてる所あるよね。天然というか・・・」「無防備すぎてこっちが困る」
葵葉ベッドでお腹を出して寝ている。風呂上りタオル一枚巻いて出てくる。双子が着替えている所に鉢合わせなどの絵。
春斗「・・・俺たちに気を許してるからだろう」
校舎に向かい歩き出す春斗。
春哉「それは幼なじみとして?ボディガードとして?」足を止める春斗「――本当に、ハルはそう思ってる?」
春斗「やめろそういう言い方・・・もう昔とは違うんだから」「とにかく!2人が付き合うようなことがあれば、そん時は力技でなんとかする!」
春哉「そうやっていつもはぐらかす」※ぼそりと零す。春斗には聞こえていない。
2人の間にそよぐ風。春斗の背中が離れて行く。
春哉(――一緒に暮らして気づいた。やっぱり、俺もハルも葵葉が好きだってこと。葵葉は知る由もないだろうけど・・・)
歩き出す春哉。散ったはずの桜の花びらが数枚だけ足元に落ちている。
〇おしゃれなビアガーデン・夜
吊るされた星形ライトは温かみのある色。ソファ席に着くサークル一同。
桑桐「それでは天文サークルの歓迎会を始めます!」「乾杯!」
桑桐大地(クワキリ ダイチ):大学4年天文サークル部長。女好き。
一同「かんぱーい!」
ワイワイと雑談。葵葉の隣にいる朱里が大皿に手を伸ばす。隣のテーブルに双子周りには女の子。
美怜「キャッ!」「やだ~濡れちゃった」
橘美怜(タチバナ ミレイ):大学1年小柄で目がパッチリとしたウサギ系女子。
春哉の隣に座っていた美怜がお酒の入ったグラスを倒す。
美怜「春哉先輩ごめんなさい!あっ・・・どうしよう、ズボン濡れちゃってる」※目を潤ませる。
春哉のズボンを拭こうとする。
春哉「いい」
春哉立ち上がりそのままトイレへ。「待ってください」と後を追いかける美怜。
2人の後姿を見る葵葉。
朱里「橘さん、絶対に春哉君狙いだね」※確信をついた顔
葵葉「えっそうなの!?」
朱里「あからさまじゃない。あんなの」
目を丸くしながら葵葉は再び美怜にを見る。お酒を飲みながら横目で葵葉の反応を確認する朱里。
朱里「前から気になってたんだけどさ」
葵葉「ん?」※朱里に視線を戻す
朱里「葵葉は双子のどっちが好きなの?」
葵葉「えっ!?どっどうしたの急に!」
朱里「だって幼なじみでボディガード。しかもあのルックス」「普通に好きになっちゃうでしょう?」
部員に囲まれながら楽しそうに雑談する春斗。女の子の熱い視線。
朱里「私は断然、春斗君派かな~」
葵葉「ハルちゃんは社交的だから話しやすいよね」「でもシュンちゃんも、冷たそうに見えて優しい所あるんだよ」
朱里「へぇそうなんだ。じゃ春哉君狙い?」
葵葉「ち、違うよ。2人とも好きだよ」
ハッとする朱里「そうか!それもあったか!!」「一妻多夫ってわけね!」
葵葉「違いますっ」ふぅと息をつく「好きっていうのは、恋愛的な好きじゃなくて」※幼い頃の3人のコマ「・・・家族というか、兄妹みたいな」
グラスを包み込むように持ち、ぼんやりと見つめる
朱里「家族ね~」「そう思ってるのは葵葉だけかもよ」
葵葉の丸くなった目が微かに揺れる。
朱里「まっ今は君嶋さんにお熱ってわけね!」
葵葉「んっ?う~ん・・・」
葵葉(確かに孝太さんはは素敵だとは思うけど・・・)(好きってなんだろう)
グラスの結露が指先に流れる。
葵葉モノ(子供の頃、ハルちゃんとシュンちゃんに抱いていた感情が、友情か恋情か・・・)(ずっとわからなかった・・・)(日本を離れて、周りがボーイフレンドを作り始めても、友人以上に好きと言う気持ちが湧いてこなかった)(目に見えない『好き』という感情が、私にはとても難しく感じる・・・)
〇3人過去 回想 双子にキスをした続き
5歳春斗「やったー!」ジャンプして喜ぶ「母さん!お母さーん!」叫びながらキッチンがいる母親に行く「俺、大人になったら葵葉と結婚するんだ」
春哉は2人きりになった部屋で葵葉の袖を掴む。
5歳葵葉「シュンちゃん?」
5歳春哉「口にはしてくれないの?」※真直ぐ無表情に見る
固まる葵葉に春哉は唇にキスをする。キッチンから聞こえてくる春斗たちの声。
〇現在に戻る
葵葉(あっあれは、子供の頃の話だもん。2人だって忘れてる・・・)
唇に指をあてる葵葉。あの時の感触を思い出し顔を赤くする。
葵葉「そんなことなーい!」
頭をブンブンと左右に振る。グラスを一気に飲み干す。
朱里「ちょっと葵葉、そんなに飲んで大丈夫?」
葵葉「今日はそういう気分なの!」
桑桐「おっ若桜ちゃんいい飲みっぷりじゃん!俺も混ぜて~」
別のテーブルから桑桐が来ると葵葉と朱里の前に座る。
春斗「・・・」※ノンアルを飲みながら葵葉を見る。
〇男子トイレの前
春哉が出て来ると手を掴まれる。
美怜「春哉先輩」
春哉の左手に両腕を絡め見上げる。
孝太「あれ?葵葉ちゃん?」※爽やかに微笑む。
葵葉に気付き足を止める。
朱里「噂をすればなんとやら~ね。ぬふふ。じゃ今夜の飲み会でね!」
近づいてくる孝太に足早に立ち去る朱里。
孝太「よかった。探していたんだよ」
葵葉「わ、私をですか?」
孝太「もちろん。先日、葵葉ちゃんのお父さんからの援助のお礼を言いたくてね」
葵葉「そんなわざわざ。大したことじゃありません」てのひらを向ける「それに父立っての希望でしたので。有能な若者のために力になりたいと常々言っています」
葵葉モノ(孝太さんと話すようになったのは、私が構内を迷っている所、声をかけてくれたことがきっかけだった)(大学院生で研究熱心。落ち着いた話し方やちょっとした対応が大人で魅力的な人)
孝太「本当にありがとう。感謝しても足りないくらいだ」※目を細め微笑む
葵葉も視線を返し笑いかける。
○女子たちに囲まれる双子
春斗は女子たちに笑顔を振りまく。春哉は無表情で葵葉と孝太を横目で確認する。
孝太「そうだ。今度、研究中の海洋植物を、みなと水族館で展示してくれることになったんだ」
葵葉「わぁ!孝太さんの研究が認められたんですね」
孝太「それで・・・よかったら一緒に見に行かないかな?」※照れた顔「できたら2人で」
葵葉「水族館?2人でですか?」
目を丸くしパチパチと瞬きを繰り返す。
孝太「葵葉ちゃんと、もっと仲良くなりたいんだ」
葵葉「もちろんです。ぜひ、ご一緒させてください。チケットも手配しておきますね」
孝太「よかった。いつもありがとう」※作った弓なりの目を向ける「じゃ今度の日曜日にでも行こう」
葵葉「はい!」
孝太は手を振りながら去っていく。手を振り返す葵葉。
葵葉「孝太さん。素敵な人だな」
微笑んでいる葵葉の背後から現れる双子。
春斗「アイツはやめておいた方が良いぜ」
春哉「そうそう。あの手のタイプは危ない」
振っていた手がピタッと止まる。
葵葉「もぉそんなことないよ。孝太さんは苦学生なのよ!」
春哉「だから葵葉の親父さんがお金を援助したの?」
春斗「ったく苦学生に一番縁遠い奴が何言ってんだよ」「金目当てに葵葉に近づいたの丸わかりだな」
春哉「典型的なパターン」
双子はわざとらしく同時にため息つく。
葵葉「だから孝太さんはそんなんじゃないよ!」※頬を膨らませる葵葉
ムキになる葵葉をジッと見つめる春哉。
春哉「葵葉ってああいう男が好きなの?」
葵葉「それは、その・・・好きとか、まだそういうのじゃなくて。素敵な人だとは思うけど」
春斗「趣味悪っ」
止めの一言にガクッと肩を落とす葵葉。
葵葉「私が誰を好きになろうと2人には関係ないでしょ!」
プイッと双子に背を向け校舎へ足早に向かう。後姿を見る双子。
春哉「どうすの?ハル」「このまま付き合うことになったら」
春斗「葵葉だってそこまでバカじゃないだろう。あの男の策略くらい――」
春哉「そこまでバカだったら?」※横目で春斗をチラ見
春斗は肩をすくめる
春哉「あれから1年近く3人で暮らしてるけど、葵葉しっかりしてそうで抜けてる所あるよね。天然というか・・・」「無防備すぎてこっちが困る」
葵葉ベッドでお腹を出して寝ている。風呂上りタオル一枚巻いて出てくる。双子が着替えている所に鉢合わせなどの絵。
春斗「・・・俺たちに気を許してるからだろう」
校舎に向かい歩き出す春斗。
春哉「それは幼なじみとして?ボディガードとして?」足を止める春斗「――本当に、ハルはそう思ってる?」
春斗「やめろそういう言い方・・・もう昔とは違うんだから」「とにかく!2人が付き合うようなことがあれば、そん時は力技でなんとかする!」
春哉「そうやっていつもはぐらかす」※ぼそりと零す。春斗には聞こえていない。
2人の間にそよぐ風。春斗の背中が離れて行く。
春哉(――一緒に暮らして気づいた。やっぱり、俺もハルも葵葉が好きだってこと。葵葉は知る由もないだろうけど・・・)
歩き出す春哉。散ったはずの桜の花びらが数枚だけ足元に落ちている。
〇おしゃれなビアガーデン・夜
吊るされた星形ライトは温かみのある色。ソファ席に着くサークル一同。
桑桐「それでは天文サークルの歓迎会を始めます!」「乾杯!」
桑桐大地(クワキリ ダイチ):大学4年天文サークル部長。女好き。
一同「かんぱーい!」
ワイワイと雑談。葵葉の隣にいる朱里が大皿に手を伸ばす。隣のテーブルに双子周りには女の子。
美怜「キャッ!」「やだ~濡れちゃった」
橘美怜(タチバナ ミレイ):大学1年小柄で目がパッチリとしたウサギ系女子。
春哉の隣に座っていた美怜がお酒の入ったグラスを倒す。
美怜「春哉先輩ごめんなさい!あっ・・・どうしよう、ズボン濡れちゃってる」※目を潤ませる。
春哉のズボンを拭こうとする。
春哉「いい」
春哉立ち上がりそのままトイレへ。「待ってください」と後を追いかける美怜。
2人の後姿を見る葵葉。
朱里「橘さん、絶対に春哉君狙いだね」※確信をついた顔
葵葉「えっそうなの!?」
朱里「あからさまじゃない。あんなの」
目を丸くしながら葵葉は再び美怜にを見る。お酒を飲みながら横目で葵葉の反応を確認する朱里。
朱里「前から気になってたんだけどさ」
葵葉「ん?」※朱里に視線を戻す
朱里「葵葉は双子のどっちが好きなの?」
葵葉「えっ!?どっどうしたの急に!」
朱里「だって幼なじみでボディガード。しかもあのルックス」「普通に好きになっちゃうでしょう?」
部員に囲まれながら楽しそうに雑談する春斗。女の子の熱い視線。
朱里「私は断然、春斗君派かな~」
葵葉「ハルちゃんは社交的だから話しやすいよね」「でもシュンちゃんも、冷たそうに見えて優しい所あるんだよ」
朱里「へぇそうなんだ。じゃ春哉君狙い?」
葵葉「ち、違うよ。2人とも好きだよ」
ハッとする朱里「そうか!それもあったか!!」「一妻多夫ってわけね!」
葵葉「違いますっ」ふぅと息をつく「好きっていうのは、恋愛的な好きじゃなくて」※幼い頃の3人のコマ「・・・家族というか、兄妹みたいな」
グラスを包み込むように持ち、ぼんやりと見つめる
朱里「家族ね~」「そう思ってるのは葵葉だけかもよ」
葵葉の丸くなった目が微かに揺れる。
朱里「まっ今は君嶋さんにお熱ってわけね!」
葵葉「んっ?う~ん・・・」
葵葉(確かに孝太さんはは素敵だとは思うけど・・・)(好きってなんだろう)
グラスの結露が指先に流れる。
葵葉モノ(子供の頃、ハルちゃんとシュンちゃんに抱いていた感情が、友情か恋情か・・・)(ずっとわからなかった・・・)(日本を離れて、周りがボーイフレンドを作り始めても、友人以上に好きと言う気持ちが湧いてこなかった)(目に見えない『好き』という感情が、私にはとても難しく感じる・・・)
〇3人過去 回想 双子にキスをした続き
5歳春斗「やったー!」ジャンプして喜ぶ「母さん!お母さーん!」叫びながらキッチンがいる母親に行く「俺、大人になったら葵葉と結婚するんだ」
春哉は2人きりになった部屋で葵葉の袖を掴む。
5歳葵葉「シュンちゃん?」
5歳春哉「口にはしてくれないの?」※真直ぐ無表情に見る
固まる葵葉に春哉は唇にキスをする。キッチンから聞こえてくる春斗たちの声。
〇現在に戻る
葵葉(あっあれは、子供の頃の話だもん。2人だって忘れてる・・・)
唇に指をあてる葵葉。あの時の感触を思い出し顔を赤くする。
葵葉「そんなことなーい!」
頭をブンブンと左右に振る。グラスを一気に飲み干す。
朱里「ちょっと葵葉、そんなに飲んで大丈夫?」
葵葉「今日はそういう気分なの!」
桑桐「おっ若桜ちゃんいい飲みっぷりじゃん!俺も混ぜて~」
別のテーブルから桑桐が来ると葵葉と朱里の前に座る。
春斗「・・・」※ノンアルを飲みながら葵葉を見る。
〇男子トイレの前
春哉が出て来ると手を掴まれる。
美怜「春哉先輩」
春哉の左手に両腕を絡め見上げる。