悲劇のセイレーンにささやかな愛を



「……」



ふと目を伏せ、しばしの間黙り込んだ澪ちゃん。

やっぱり本当だったのか。



『断らないといけなかったから?』

「なんだそれ。しかも疑問系」

『ごめん、でも本当なの』



曖昧だ。
隠してる事がある。



「……ねぇ、澪ちゃん」

「?」

「俺が告白したら、その理由教えてくれる?」

「⁉︎ ……っ」



驚いて口をパクパクしている澪ちゃんの前に立ち、その綺麗な目を見つめた。



「俺、澪ちゃんのことが好き。付き合ってください」



その後の彼女の表情の移り様は、彼女の言葉が聞こえてきそうなほど分かりやすかった。

目を見開き、数秒間固まる。
そして少しの恥じらいと喜び。
最後は……罪悪感と、悲壮が溢れた苦しそうな顔。


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