悲劇のセイレーンにささやかな愛を
『ごめんなさい』
「……」
『私はしすいのためにやらなくちゃいけないことがあるの』
……相変わらずだ。
やっぱり澪ちゃんは、しっかりと自分の芯を持っているんだ。
「そーいうとこなんだよ」
「?」
思わず苦笑しながら呟いた。
「俺にはない……いや、過去に捨てた自分の芯を持ってる」
放課後の教室の空気と、彼女の言葉。
あれは一生忘れられない瞬間になるだろう。
「俺はそんな澪ちゃんに憧れて、好きになったんだ」
彼女はふと目を細め、窓の外を見た。