悲劇のセイレーンにささやかな愛を
『しすい人気者だね?』
「人気者って言うか、雑用やらされてるだけだから」
『違うよ、みんなちゃんと感謝してる』
「……ならいいのか」
何食べたい?と聞き、彼女が指さしたものを次々と網の上に乗せていく。
片面に焼き色がついたらひっくり返す。
半分に切って中を確認し、澪の皿に取り分けた。
『すごいね、手つきがプロだった!焼く専門の人になれるよ』
「なんだそれ、もはや焼肉じゃないじゃんか」
自分たちで焼くのが醍醐味なのにプロフェッショナルがいてどうする。
手を合わせて恐る恐ると言った様子で一口運んだ澪。
たちまちその顔に光が灯った。
「……!……っ」
「うまい?」
コクコクコクっ、と首がもげそうな勢いで頷いてる。