悲劇のセイレーンにささやかな愛を
澪が学校に行き始めて、新たな一面なども知れて嬉しい気持ちもある。
ただそれは最初だけで……。
「あれ、澪は?」
「澪ならさっき、男の子に呼び出されてったよ〜」
「は?」
呑気に答えた彩芽に少し怒りを覚えた。
親友ならなんで止めないんだよ。
「……どこ行った」
「わぁ珍しい、紫水が怒ってるー!えっとね、確か体育館裏だったっけ」
言い終わらないうちに教室を飛び出した。
そう、澪はやっぱり男子に好意を向けられた。
控えめに言ってもモテ女王なくらいだ。
薄々分かっていたつもりだけど。
まさかこんなにとは思わないじゃんか……。
「水流園さん、俺、ずっと前からあなたのこと……」
「澪は俺のなんでね、近寄んないでもらえる?」
「……!」
こうして4、5回目の告白阻止を完了した。


