悲劇のセイレーンにささやかな愛を



「確かに、今の子たちかなり引いてたもんねー!」

「このままだと水流園に近づきにくくなるだろ」



そこへ明るい彩芽の声と無表情で弁当を食べる凰牙の声が入った。

凰牙の弁当、相変わらず真っ黒こげだな……さすが彩芽。

じゃなくて。



「……何が原因なんだよ」

「お前だな」

「紫水だろ」

「紫水しかいないよー!」



頭を抱えるしかない。

澪を一人にさせるのは何より自分自身が許せない。



『私は全然大丈夫だよ?』

「大丈夫じゃねーよ……ごめんな、これからはちゃんと改めるから」

『でも、私は嬉し』

「そーだよ、弁当作るとか母さんかよ」

「は?そこは父さんだろ」

「ツッコミどころがちがうわ」



秋斗にムキになって言い返してから澪のノートを見ようとすると、なぜか即座に隠されてしまった。


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