悲劇のセイレーンにささやかな愛を



そもそも俺は誰かのことを恋愛として好きだと思ったことがないから分からない。

澪のことはもちろん好きだ。

守りたくなるし、可愛いと思うこともよくあるし。


他の女子とはなんか違う。

だけどきっとそれは、小さい妹に向ける愛情みたいな。

そうか、俺は澪を妹のようだと思っているのか。



「まー、澪ちゃん美人だもんな!天使みたいでフワフワしてて。それでいて儚くて。好きになるのも分かるわ」



そんなことを考えてる俺に気づかないアホ秋斗は勝手に共感している。



「それに紫水、澪ちゃんの告白全部乱入してるもんなー、わっかりやすいよな」

「なんで知ってるんだよ。ていうか乱入って言い方」

「これ結構有名だから。って、へー、マジで乱入してたんだ」



……やられた。

噂が本当なのかどうか、鎌かけられていた。

秋斗はバカなのに頭はいいからな。気をつけないと。


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