悲劇のセイレーンにささやかな愛を





あれから4日。

俺と澪は、家でも学校でも必要以上に話さなくなった。

その間に何度も澪が告白された、という噂を聞いた。

きっと俺が阻止しなくなったことで、チャンスだと男がたかったのだろう。


やっぱりそれを聞く度にその男に怒りのようなものが湧いて、苦しくなった。



「ねぇってば、紫水」

「……あ、ごめん。何?」

「紫水さ、このままでいいの?」

「このままって?」



そう答えると、なぜか悲しげな表情を浮かべた彩芽。



「お前と水流園のことだ。最近全然話してないだろう」



凰牙も指摘してきた。
なんだ、意外と人のこと見てるのか。



「まぁ別に俺はいいけどね〜!この際に澪ちゃん俺のものにしちゃおっかな」

「秋斗?」



秋斗が言うと冗談に聞こえないから怖い。

澪を強制的に……あぁ、最悪すぎて吐き気がする。


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