悲劇のセイレーンにささやかな愛を
フワリと安堵したように笑った澪。
『じゃ、仲直りね』
「……ふはっ、うん、仲直りな」
『なんで笑うの⁉︎』
「いや、可愛くて」
「……!」
さっきよりも真っ赤になった顔を隠すようにノートで覆う澪。
俺はそんな彼女を見ながら、もう絶対に寂しい思いはさせないと誓った。
澪には笑っていてほしい。
幸せになってほしい。
でもそれと同じくらい、澪の隣にいるのは俺がいい。
これが恋なのか、まだ何も分からない。
だけど今は、今だけでも。
澪の心に寄り添っていたい。
──そう決意したはずだった──。


