悲劇のセイレーンにささやかな愛を
翌日。
「今日の現代国語やばくなかった⁉︎」
「彩芽が寝てたからだろ」
「それもあるけどー!先生怖すぎたよ……」
「お疲れ彩芽」
「んーありがと凰牙!……澪?どしたの?」
弁当を食べながら話していると、澪がなにやら鞄の中を漁り始めた。
顔は分かりやすいくらい悲壮な表情をしていて、こっちまで不安になる。
「ねぇ、澪ってば」
「……っ、ご め ん」
「え」
口パクでそう伝えたかと思うと、澪は教室を飛び出して行った。
残された俺らは突然のことに唖然とする。
追いかけた方がいいのかどうかも分からなくて、俺は立ち上がれずにいた。
「なぁ紫水、澪ちゃんに弁当持たせたか?」
「何言ってんの?作ったに決まってるじゃん」