悲劇のセイレーンにささやかな愛を



秋斗が必死に落ち着かせようとした言葉に反抗する女子。

ファンクラブ……そんなものまであったのか。



「澪はそもそもそんなのに入ってないだろ。それに澪は俺が可愛がってんだ、勝手にまとわりついてきたんじゃない」



澪の肩を抱きながらそう言うと、その隣で立っていた女子が顔を歪めた。



「許せない……なんで急にきたあんたが片桐くんの一番近くにいるのよ……!」

「……これ以上澪に危害を出すなら俺も何するか分からないけど?」

「え……」



負け犬の遠吠えか、キッと睨んだ彼女に声を低くしてそう警告すると、3人もろとも固まった。



「最後の忠告だ。他のファンクラブとやらのメンバーにも言っておけ。澪には一切関わるな」

「……、許さない……っ!」



最後まで恨みの言葉を吐きながら戻って行った彼女らは秋斗に任せた。

俺は澪に向き直る。


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