悲劇のセイレーンにささやかな愛を
昼ご飯を食べ終わった後は、下の階のファッションショップへ。
そこで俺らは今日着る浴衣などを買い、隣接したヘアサロンで髪をセットしてもらうらしい。
思ってたよりもたくさんある浴衣の前で少し固まっていると、いつの間にか横に澪がいた。
『しすいは何色の浴衣がいいと思う?』
「んー……澪はどれを着ても似合いそうだけど、パッと浮かぶのは青かな」
『わかった!』
頷くと彩芽の方へ走って行った彼女。
まぁピンクの浴衣も見てみたいけど。
澪と言えば青、っていうイメージしかない。
「じゃー俺はこれにするか」
選んだのは紺色で白の縦線が入った浴衣。
黒よりも青っぽい紺の方が澪のに似てるし、と無意識に選んでしまった。