悲劇のセイレーンにささやかな愛を
「澪、お疲れ……大丈夫か?」
『きんちょうした、ミスした』
「ミスしてたか⁉︎ ごめん、分からなかった」
終わって澪の元へ行くと、彼女はピアノに突っ伏していた。
鍵盤の上には弾き終わってすぐに書いていたのか、少し震えた文字のノート。
「みーおっ!あんたピアノうますぎ!プロになれるよっ」
「彩芽、プロには簡単にはなれないからな。まぁ、上手かったけど」
「凰牙は彩芽にだけ素直なんだな。澪ちゃん、本当にすごかったよ」
『ありがとう!』
そこへ4人が澪を取り囲み、口々に褒め称えた。
彩芽なんかは称賛しながら相変わらず突っ伏している彼女に抱きついている。
「紫水、お前の指揮もやっぱり歌いやすかったよ」
「お褒めに預かりどーも。俺はやっぱり腕が痛い」
「なー、俺のソリは?褒めてくんないのー?」
「……秋斗は声がデカすぎだ。彩芽をかき消すな」
「そーだそーだっ!かき消すな〜」