悲劇のセイレーンにささやかな愛を



「でも、紫水は澪ちゃんと付き合ってるわけじゃないだろ」

「……ああ」

「じゃあ俺も、本気でアタックするから。宣戦布告だ」



言い残し、秋斗は音楽室へと入っていった。

宣戦布告だ──。

頭からずっと離れない。

なんだ、このドス黒い気持ちは。



『嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ』

『澪は俺のだ、誰にも渡さない』

『あんな奴になんて絶対にやらない』

「……っ、……」


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