本好き地味令嬢は、自由を満喫していますので。~今さら助けてくれと言われても、二度と家には戻りません!~
 古い資料は基本的に書庫に収められていて、必要な時だけ外に持ち出すことを許されている。

「……ねえ、あの本はなに?」

 イレクスが指さしたのは、今日、書庫から持ち出された本だった。

 何が書かれているのかまったくわからなかったのだが、リティスならば解読できるかもしれないからと、リティスの担当になった本である。

「古代語で書かれた本だな。どうも、ただの本ではないようで、リティス嬢に解読をお願いしようと思っている」

「ねえ、解読しているところを見たいな。駄目?」

 アザレウスの言葉で興味を惹かれたらしいイレクスが、リティスに目を向ける。言われたリティスは困ってしまった。

(そんな面白いことをしているわけではないのだけれど……)

 なにしろ、リティスは普通に読書をしているだけ。わざわざ子供達に見せるほどのものでもない気がする。

「僕、おとなしくしているよ」

「あたくちも。リティス嬢がお仕事をしているところを見たいわ」

 口々に言われて、アザレウスに目を向ける。彼は、ゆっくりと首を縦に振った。

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