本好き地味令嬢は、自由を満喫していますので。~今さら助けてくれと言われても、二度と家には戻りません!~
『オレが教えてやろうか? それは、地下の書庫にあるぜ! 一番左の部屋な!』

 封じられている間にパパベル本人の記憶については消えてしまったようで、強大な悪魔としての力は失われてしまっている。今のところパパベルの扱いは、せいぜい可愛いペットである。
 リティスとパパベルの契約はこうだ。

 パパベルは、リティスの側から離れない。正確には、王宮の敷地からは外に出ない。

 姿を隠す魔術をのぞき、勝手に魔術は使わない。リティスが求めた時には、知る限りの知識を提供すること。

 その代償とし、リティスは、パパベルが消滅しないように魔力を与える。

「役に立たなかったら、契約を解除するわよ」

 と言い聞かせたのがよかったのだろうか。

 パパベルはとても従順であった。

 リティスの勤務中には、図書館の中をあちこちふらふらしている。そして、困っている職員がいたら、嬉々として手を貸すのだ。

 それは、自分の居場所を見つけたリティスに重なるものでもあった。だからだろうか、リティスが強く出られないのは。

『その呪文、間違ってるぜ? オレにペンを貸してみろ』

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