本好き地味令嬢は、自由を満喫していますので。~今さら助けてくれと言われても、二度と家には戻りません!~
 呪文の解読に難儀している職員がいれば、すぐ横で正しい呪文を書いてやる。

 どこに何があるのか把握しているし、彼の知識量についてはリティスも舌を巻かずにはいられない。

『ほら、オレと契約してよかっただろ?』

「……それはどうかしら」

 リティスの前で、パパベルは自信満々に胸を反らせるが、リティスは首を傾げてしまった。たしかに助かっている面はあるけれど、厄介事も同じぐらい多いような。
 とはいえ、パパベルが言っていた通り、契約したのはよかったのかもしれない。彼の持つ知識は貴重なものが多かったし、封じられている間の王宮図書館についても知っていることが多い。

 もうひとつ、変化があったとすれば子供達だ。

 ふたりともパパベルのことがお気に入りで、魔術の勉強に来る度にパパベルと会話をしたがる。

『お前、マナーはまだまだだなっ』

 空中をふわふわと漂いながら、パパベルは偉そうに口にする。まだまだ、と言われたイレクスは、ぷっと頬を膨らませた。

『オレのマナーの方がずっといいぜ!』

「だって、忘れちゃうんだよ……!」

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