本好き地味令嬢は、自由を満喫していますので。~今さら助けてくれと言われても、二度と家には戻りません!~
「王宮魔術師か、図書館の職員に頼んでいた……だが、今回は、全員都合が悪くなってしまったんだ」
ふむ、とリティスは考え込む。
リティスの同僚となった図書館の職員のうち、リティスをのぞいた女性は七名。全員既婚か、婚約者が決まっている。
既婚女性ならば、配偶者の許可があれば問題ないだろうが、婚約の段階でそれはまずい気がする。
「子供ができたり、配偶者の都合で領地に戻らねばならなくなったり……それで、少々困っている。うかつな相手には頼めないからな」
今まで同伴を依頼した時には、変な噂が立たないように、同じ人に頼む時には数か月以上間隔をあける徹底ぶりだったそうだ。
どうりで、アザレウスの同伴者についてまったく記憶がないわけである。
「……私でよろしければ」
アザレウスが困っているのなら、リティスはできる限りのことをしたいと思う。
けれど、リティスの申し出に、アザレウスの方がきょとんとした顔になった。
「いいのか?」
「問題ありません」
「いや……リティス嬢が俺と同伴したら、俺と縁談があると誤解されるだろう。」
「ああ……それは困りますね、殿下が」