本好き地味令嬢は、自由を満喫していますので。~今さら助けてくれと言われても、二度と家には戻りません!~
 そう腕を叩いて見せた侍女長の言葉通り、そこから先はものすごい忙しさだった。まず、ドレスに袖を通し、体形に合っているか確認する。

 仮縫いをしていなかったけれど、ちょっと補正するだけで問題なく着用できた。さすが王宮に出入りしている仕立屋のドレスだけのことはある。

 それから下着姿にガウンを羽織ったところで、髪型を整えていく。

「お美しい髪ですから、このまま流しましょう」

「でも、サイドの髪は編み込みたいわ」

「そうね、銀の髪飾りが映えるでしょうし」

 と、若い侍女達がきゃっきゃと楽しそうにリティスの髪をセットしていく。

 横の髪は編み込んで、後頭部でひとつにまとめる。彫刻の施された銀の髪飾りでまとめられた。

(ひぃぃぃぃ!)

 と、リティスの肩に力が入っているのは、誰も気づいていない。いや、気づいていないふりをしているのだろう。

 鏡越しに見た侍女長が、目を光らせていたから。

(……すごい、別人みたい!)

 鏡の前でリティスがじっとしている間に、化粧が施される。

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