本好き地味令嬢は、自由を満喫していますので。~今さら助けてくれと言われても、二度と家には戻りません!~
 そんな話をしている間にも、リティスの分までお茶の用意がされる。

「それで、あの子のことはどう思っているの?」

「……感謝しています。殿下のおかげで、自分にもできることがあると思えました」

 アザレウスがスカウトしてくれなかったら、きっと今頃は家を飛び出していた。

 家を飛び出し、一人で広い世界に出ていく。

 それはそれで楽しそうではあるけれど、王宮の図書館にしかない本を目にする機会は失われていた。

「あんな素敵な場所で、たくさんの本に囲まれて。もちろん、禁書は駄目ですけれど、どの本を読んでもいいだなんて、幸せで幸せで――ええ、保管されている本、全部を読んでしまいたいぐらいです」

『そりゃ無理だろ』

「ちょっと、パパベル! あなたお留守番を頼んだわよね?」

 パパベルを連れて夜会に出席するわけにはいかないと、留守番を頼んだはずだった。

 なのに、なぜ、ここにいるのだ。
『オレ、ずっとお前と一緒にいたけど?』

「……は?」

『いいじゃん、いいじゃん。俺もそれ食べたい』

 主であるリティスの命令を聞かず、勝手にこんなところに出てくるなんて、何を考えているのか。
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