本好き地味令嬢は、自由を満喫していますので。~今さら助けてくれと言われても、二度と家には戻りません!~
 ちゃっかり王妃の膝に座を占めたパパベルが大きく口を開ける。と、彼のその口に王妃は勢いよくクッキーを放り込んだ。

『うめぇ! めっちゃうめぇ!』

「パパベル!」

 リティスは頭を抱えた。

 王妃の前で、本当に躾がなっていない。

 帰ったら、みっちり説教しなくては。

「いいのよ、リティス嬢。私も、楽しんでいるもの。それに、使い魔にまでマナーを守らせるのは難しいでしょう?」

『お! 王妃様わかってるぅ!』

「調子に乗ったら、こうですけどね」

 パパベルが偉そうに胸を張ったところで、王妃はパパベルの額をぺちんと爪で弾いた。

 あれは、痛い。パパベルも、短い手で頭を抱えて、うずくまっている。

「姿を消せるのなら、この子もパーティーに連れて行きなさいな。おいしいものもたくさんあるし、ね?」

 ぱちりと王妃は片目を閉じる。

 思っていたほど、堅苦しい人ではないのだとちょっと安心したけれど、帰ったらやっぱりパパベルにはお説教だ。夜会では人前に姿を見せないように、きっちりと言い聞かせておかなくては。

 迎えに来たアザレウスは、リティスを見て目を丸くした。

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