本好き地味令嬢は、自由を満喫していますので。~今さら助けてくれと言われても、二度と家には戻りません!~
 今日は季節の変わり目に開かれる宴で、子供達も最初の一時間だけは参加する。貴族達に、健やかに育っているところを見せるためでもあった。

「リティス嬢!」

「わ、素敵! お兄様もやるわね!」

 挨拶が終わるなり、子供達はリティス目がけて走ってきた。セリカなど、リティスに勢いよく飛びついてくる。

「セリカ、淑女のマナーはどこにやったの?」

「あらいやだわ。あたくち、うっかりしてしまいましたわ。リティス嬢に会えて、とても嬉しかったんだもの」

 イレクスにマナーを注意され、セリカは慌ててリティスから離れた。

 にこにことリティスを上から下まで見て、満足そうに腕を組む。

「今日のドレス、とってもお似合いよ。お兄様も、素敵なドレスを見立てたのね。今までの人の時は、侍女長にお任せだったのに」

「……セリカ!」

 セリカの言葉に、アザレウスは慌てて彼女の口を塞ごうとする。

 でも、もう遅かった。リティスの耳にはばっちり届いてしまっている。

(それって、それって……!)

 リティスにはとても気を使ってくれたということだろうか。

 どうしよう、嬉しい。

< 142 / 288 >

この作品をシェア

pagetop