本好き地味令嬢は、自由を満喫していますので。~今さら助けてくれと言われても、二度と家には戻りません!~
 宰相は、背が高く痩せた男性だ。国王の信頼も厚いと聞いている。そう言えば、リティスが聞いている範囲では宰相の娘もまだ結婚相手が決まっていなかったはず。
 アザレウスの側にいるリティスが気になっているのだろうか。

「……王弟殿下は、上司ですので。殿下に会いにいらっしゃる王太子殿下や王女殿下にも、お声がけいただいております」
「王太子殿下に、魔術を教えているとか?」
「……はい。殿下は、古代魔術の才能をお持ちのようです。頭の中に正確に魔術陣を描けるのに驚きました」

 イレクスは、今主流の詠唱魔術は、今のところ使えない。リティスが見る限りでは、呪文に魔力を乗せるのが苦手なため、詠唱魔術では発動できないようだ。
 だが、魔術陣を使う方法を身に付ける過程で魔力の扱いに慣れたら、いずれ詠唱魔術も使えるようになるのではないかと思っている。

「……そうか。リティス嬢は、古代魔術について書かれた文献が読めるのだろう? 古代魔術も扱えるのか」
「……たいした魔術は使えませんが」

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