本好き地味令嬢は、自由を満喫していますので。~今さら助けてくれと言われても、二度と家には戻りません!~
 だが、エデルの前でそれを口にするほど愚かではなかった。

 リティスと王族がかなり親しくしているとエデルに知られたら、遅かれ早かれ生家にばれる。

 となれば、縁を切ったあの人達がリティスを利用しようと近づいてくることだって考えられるではないか。

「だけど――君のそのドレス。それはどうしたんだ?」

 ドレスと口にはしたものの、エデルの目は、繊細な細工の施された装飾品に釘付だ。どうやらこれらが、価値のある品だとわかったようだ。

「これは、お借りしているものです。王弟殿下の同伴者となるのに、ふさわしい格好をする必要がありましたから」

「そう、それだよ! どうして君が王弟殿下の同伴者に――だって、君は俺の婚約者で」

「それは解消になりましたよね。あなたは、フィノラと婚約をしています」

「それは、そうだけどさ」

 まだ、何やらもごもご言っている。

 リティスとの婚約解消を望んだのはエデルなのに、今さら何を言いたいのだろう。

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