本好き地味令嬢は、自由を満喫していますので。~今さら助けてくれと言われても、二度と家には戻りません!~
「私が王弟殿下の同伴者なのは、私が殿下の部下だからです。まだ殿下は婚約していらっしゃいませんから、王宮魔術師や、図書館の職員が交代で同伴者を勤めるそうです」

 これまた嘘は言っていない。

 今回リティスに順番が回ってきたのは、今までアザレウスの同伴者を勤めた女性達の都合が悪くなったからだ。

「……たしかに殿下は、毎回違う女性を連れているけれど」

 リティスの頭の中では、警鐘が鳴り響いている。

 それはもうガンガンと鳴らされている。

 エデルもまた、何かあればリティスを利用するつもりだ――元婚約者で未来の義弟と言う立場を利用して。

「でも……本当に綺麗になったね。今の君なら、俺の隣に立っても問題ないだろうに」

「フィノラの方がお似合いだと思いますよ」

 うっとりとした目で見つめられてぞっとした。婚約以来、リティスのことはずっと下に見てきた彼に今さらうっとりした目で見られても、どう反応すればいいのかわからない。

 慌ててその場から立ち去ろうとすると、ここでまた邪魔が入った。

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